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ママがおばけになっちゃった![絵本レビュー]

 4歳の娘が大好きな「おひめさまようちえんのにんぎょひめ」の作者、のぶみさんの絵本がとても売れている、と耳にしたので中身も見ずに買ってみました。

ママがおばけになっちゃった!という絵本です。

ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本)

ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本)

 

 「子ども向けの絵本でこれってアリ?」というタイトル。

まさかほんまに死んだりしないよな~。意味深なタイトルなだけよな~。と思っていましたが、書き出しがこんな感じ。

ママがおばけになっちゃった!導入部分

ガーン。しょっぱなからママは死んじゃっていました。

しかし、ママは4歳の息子のかんたろうが気になって会いに行きます。うちの娘も同じ4歳。この時点で既に涙腺がやられそうになります。

かんたろうはおばあちゃんと一緒に住んでいるんですが、やはりママが恋しくて泣いています。しかも、かんたろうには「ママにあやまらなくてはいけないこと」がありました。そこにママが現れて、かんたろうはやっと謝ることができるのですが、今まで色々いたずらされていた事を知ってママはショックをうけます。このあたりの親子のほがらかなやりとりに「これは笑える系の絵本か~」と安心したのもつかの間...。

おばけの姿のママは、いつまでもかんたろうの側にはいられません。2人に訪れる別れの時。息子を何よりも大事に思う、母の愛。切なくて切なくて、涙無しには読むことができません。
絵本を読みきかせている私も聞いている娘も涙涙です。

ママがおばけになっちゃった!ラスト部分

それまで考えたことがなかった「幼い子どもを残して自分が死んだら...」という事を、初めて想像させられました。それはとても悲しく、辛く、苦しく。私のお気楽な脳が向き合うのには重すぎたようで、「いやだ!死にたくない!」としか浮かんできませんでしたが…。

「いつ死んでもいいように今を大事に生きよう」って思ったことは何度もありますが、それは自分の存在が自分だけで完結していた頃の話。子どもができた今は、何が何でもとにかく生きたい。今をどんなに大事に生きていたって、死んだら死ぬほど後悔するはずです。(だから死んでるんだって)

人によってほんとそれぞれだと思うんですが、この絵本を読んで私がしようと思った事は「子どもに手紙を残しておこう」とか「もっと一緒に過ごそう」とかではなく、「人間ドッグいこうかな」って事でした。

「死」という重いテーマを、のぶみさんは可愛い絵柄とクスっと笑えるセリフでもって描いており、この絵本は決して暗い内容ではありません。

が、娘は一度読んだきり「この本読んで!」と言ってこなくなりました。娘の心の中にも色々な気づきや思いがあったんだと思います。その辺、どう感じたのか、少し時間をおいてから話し合えたらいいなぁと思っています。